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post story of compressor (part three)

May 8th, 2009

Filed under: New Mixes — goh @ 15:02:47

最後にデジタル版のコンプレッサーについて書いてみようと思います。
DAWで完結する昨今のコンプレッサーの使い方というのは収録に使う事は殆どなく、大概は適当に各チャンネルにぶら下げてあるような使い方を多く見かけます。
その殆どが用を成していない設定が多いです。
さておいて、デジタルの場合は凹みの部分を平均的に持ち上げようとすると「あっと」言う間に真っ平らになってしまう事が多いです。
アナログの場合ですとコンプレッサーのオペアンプが扱う周波数の陰影が影響するので平均的には決して聞こえない事に良くも悪くも要因します。
ところがデジタルではムラを無くす為というより何もわからずに使ってしまうと基礎プログラミング的に平均的な結果になってしまうようです。
クリニカル(医術的)な処理を求める場合には良いのですが、MIXの中で人間の耳に聞き易くする為のコンプレッサーの活用としては味気ないです。
そこで、MODELINGになるわけですが、ハードウェアのコンプレッサーを使った事も見た事もない人には何の事かわかりませんが、
MODEを選べるプラグインには”normal”やら”electro”"opto”"warm”とか、”distortion”の選択がありますが、これらがアナログ・ハードウェアのコンプレッサーのモデリングです。
“opto”はLA-2Aのような光学セルを擬似したわけでリリースのスピードを遅らせる事により、まるでビンテージ・コンプのようなかかりを再現しているのです。
しかし、良く取り説を読むとGRが3dB以下だったり、3dB以上であるとリリースは早くなるとか、、、、、どれも同じデザインではありません。
キャラクターを要する場合に”warm”とか”smooth”とかもあります。”warm”の場合は低い周波数には深くコンプがかかるように設定され
コンプされた音の抜け具合が変わってきます。逆に”smooth”ですと周波数を干渉することなく平均的にかかるわけです。
更に真空管によって起こるTHD(ハーモニックディストーション)を2次、3次と再現できる機能がついているのもあります。
現行で存在するプラグインのコンプレッサーはハードより多いのが実情で大きなセッション内で各チャンネルすべてにぶらさげても余るくらいですが、
どのコンプレッサーが良いのか?(適しているのか?)というのも疑問な割には結局option-dragで同じ物がぶら下がっているのが実情です。
ここで最初にお話ししたレシオとゲイン・リダクション(+アタックとリリース)をどれだけ理解できているかが誤った選択や使い方をしないで済む方法です。
各プラグインを同じレシオ設定ににして同じ量のゲイン・リダクションを行い、リダクトされたゲインだけをアウトで補う。(+アタックとリリース)
条件にを同じにしたところで各プラグインを聞き較べるのが正当です。物によっては素晴らしく効きが良いものや、音質が良いもの。
あるいは掛っているのかわからない程スムースなのか全く意味を成さないな物まで多彩です。
しかしコンプレッサーの基本は音を整える為にベストな組み合わせを選ぶように、またこれこそがMIXの基本でもあるように種々の選択〜
ダイナミックスを手中範囲内でいかにコントロールできるかがエンジニアに問われるテーマでもあります。
先日、当スタジオに学生さんのインターンが見えた際に丁度良いコンプレッサーのデモンストレーションだと思ってアナログ〜デジタル、真空管の選択からアナログとデジタルとの音の差を十分すぎる程一緒にテストしましたが、こういう機会がなければこれから始める若いエンジニアにはプラグインの”opto”やら”warm”の基本的な意味もわからなかったでしょう。
最近では何でも知っている風でマニュアル(取り説)を全く読まずに直感的な感覚だけでマウスやらトラック・ボールで音を作り、ツールスの”overload”も何のその、その方が音が過激になって良い等と平気で仕事している人が居るようですが、マニュアル(取り説)は絶対に読んでおいた方が賢いですね。各デブロッパーからは無料でダウンロードできるので是非ご覧あれ。

最近のお気に入りのデジタル・コンプはdigiのSMACKです。
非常に軽いので扱い易く、音も細くならずにパラメーターも判り易いです。
アナログ・コンプの名機 TELETRONIX LA-2A から最近のEmpirical Labs Distressor のシミュレーションまで出来る優れものです。
enl_digi_smack_lg_23146.jpg

最後にコンプレッサーとはわれわれすべてのエンジニアの永遠のエフェクターであると僕は信じています。

post story of compressor (part two)

May 7th, 2009

Filed under: New Mixes — goh @ 15:46:28

最近UNIVERSAL AUDIO より1176 Anniversary Edition が発表されました。これを機会に当スタジオで試させていただきました。
先のポストにも記したように1176のポピュラリティーは絶大ですが、この1176には数々のVariationがあって僕自身使った事のある機種は最初のrevision Aからrevision Hぐらいまでを使ったことがあります。(ほぼ全機種)
中でも一番人気が高いのはブラックフェイスになってからのD typeとE typeです。
しかしこれもすでに70年代のVintageで現行で素晴らしい状態で残っている1176 rev D or Eを体験できるスタジオは日本では乃木坂のSONY STUDIOだけでしょう。
e-BAYやその他のオークションでもこのrevisionの評価は高いですが、その状態を推測する事は不可能です。
ひどいのになるとノブのガリはひどく、トランスもカサカサでメーターは不作動なんてザラです。1176の用途は多彩きまわりないのでボロがほとんどです。
しかし今回試した1176AEは状態の良いビンテージを思わせるような良い音がするので改めて2代目の意気込みを感じました。
同じパーツと手法を以て復刻版を作成しても当時のビンテージと聞き較べると明らかに復刻版は音が固い印象を与えてしまいがちです。
当スタジオのLA-2A復刻版もすぐに真空管を交換して改めてバイアス調整をしたくらいです。
しかし、この1176AEは最初から持っている音質の良さには驚きます。
加えてLA-2AやLA-3Aなどにあるレシオ2:1から使えるようにした点は効果的でベース等の楽器やバラード系のボーカル収録〜等には非常に効果的です。またステレオで使用した時のトータルコンプとして使う等、2:1の使い道は多彩です。更にSLOW ATTACKのチョイスも用途が増します。
自分が最初にアシンタントとして勤めたスタジオがChicago Universal Recording Studio ですがこのスタジオを創立したのがご本人BILL PUTAMN だった事も何かの御縁です。
スタジオにはこの1176 revision Aやらそれ以前のプロトタイプが何台もあってrev A はシルバーとブルーで赤いランプが付いていたのを覚えています。
しかしながら時代は1980年で当時の音楽のスタイルからモテはやされたのはdBXでそのアタック感、スピード感とS/Nの良さが評判でした。
当時は1176には収録以外ではあまり電源が入っていなかったのが事実です。
今となってはスピード感やS/Nの高さのあるコンプを求めるならプラグインの方が抜群ですから当然、デジタルでは求める事の出来ないアナログ感はアウト・ボードに限ります。
現行のアウト・ボード・コンプレッサーも数ありますが、まず最初の1台としての入門としてもコスト・パフォーマンスが高く、音質の良さ、さらに使い勝手が宜しいとなるとこの1176AEは非常にお勧めの機種だと思います。しいて文句を言うならばあの赤いランプを付けて欲しかったです。
1176ae.JPG

ruldrurd
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